月刊書字文化

~日本書字文化協会機関紙 No75~
令和2年(2020年) 新年号

2月22日は書文協創設10周年記念日です

目次)第8回伝統文化大会締め切り迫る▶中日青少年展示会案内▶専修学院規則の変更▶東西南北(加納美奈)▶訪中記▶臨書展募集

164-0001 中野区中野2-11-6  丸由ビル301

電話03-6304-8212 FAX03-6304-8213

 
第8回全国書写書道伝統文化大会
 締め切りは1月17日(金)

第8回伝統文化大会(全国年賀はがきコンクール、全国学生書き初め展覧会)は間もなく締め切られます。

実施要項,課題・課題解説、お手本などは書文協ホームページにアップされています。ホームページ1面の横タスクバーの右から2つ目「大会」にカーソルを当てると、項目がスクロール表示されます。その中から「伝統文化大会」をクリックしてください。 

展示・表彰・交流会は3/8中野ゼロホールで

中央審査会は1月下旬に開催予定で、特別賞受賞者(全体の約1.5%)の名前は3月上旬までに発表予定です。これら優秀作品を展示し、文部科学大臣賞など上位賞受賞者を表彰し、応募者が話し合う交流会は3月8日、中野ゼロホールで開かれます。展示会はどなたでもご覧いただけます。交流会は同大会への出品者なら誰でも参加できます。
展示会では、文部科学大臣賞から後援団体賞までの特別賞を展示します(スペースの都合で教育特別奨励賞は除きます)。幼児から一般まで、硬筆(全国年賀はがきコンクール)も毛筆(学生書き初め展覧会)とも上達の様子を見ることができます。展示されるかたはもちろん、指導者の先生方はぜひともご覧ください。

専修学院規則を2月から変更

書文協付属書写書道専修学院(中野本部教室、青梅教室)の規則が2月から変更されます。コマ割りなどが発表されるもので、学習塾などに通う生徒たちは4月からの予定を組みやすくなります。授業料は、これまでの学年別でなく、コース別とします。現在の専修学院生には1月末までにお知らせします。

作文添削は専修学院生以外も受けられます

作文添削は書文協の検定・ライセンス試験を受けている教場、個人は優先的に受けることができます。作文の提出、添削返送は隔月。郵送費を含め教場一括は一人1,000円、個人は1,500円。提出方法は検定試験と同じです。
2020大学入試改革での国語・数学の記述式問題の導入は、技術的に解決できていない部分があり見送られました。しかし、記述式の重要性は変わりません。言葉と密接な書写書道の学びは、言葉の力を養うもので、添削指導もその一環です。希望団体、個人は書文協に連絡ください。

中日青少年書画コンで北京訪問

中国政府が開催した第1回中日青少年書画友好交流コンクールの表彰式が12月22日、北京で行われ、書文協から大平恵理、渡邉啓子の正副会長、入賞生徒らの訪中団が北京を訪問しました。日中両国政府が青少年の交流を深めることを調印、その流れの中で開かれました。書文協はコンクール共催のNPO法人日中文化交流促進会(劉洪友理事長)の要請で日本側事務局に加わり、友好促進に協力しています。
訪中した書写書道関係の青少年は10人。

書文協のコンクールや検定で名前の知られた人もいます。家族が付き添った児童も。
20日早朝、羽田から北京に飛び、22日夜に帰国するという強行スケジュールでしたが、到着初日には、中国の子供らと一緒に、長い紙に寄せ書きする長巻二巻を制作(写真)するなど、向こうの子供達と互いによく知り
合って帰国しました。

北京では改めて訪中団の児童生徒や中国側上位入賞による決勝戦が行われました。この結果、高校2年、大平知雅さんの仮名交じり作品「野に出れば ひとみなやさし 桃の花」(高野素十・作)がトップ特等賞となりまし
た(写真)。

書道・書法交流は続けます

帰国翌日の23日、安倍晋三首相が日中韓三国首脳会談のため北京へ飛びました。書文協は、2国間の政治的な状況に関わらず、書法書道交流は市民同士の異文化交流を進め、平和を維持する大事な事業として、今後とも
尽力する方針です。また、書写書道を通じて世界を知る第一歩になればと期待しています。
今年の第2回コンクールの表彰式は西安で行われる予定です。

東・西・南・北

            (田崎教室)加納 美奈   一般 福岡県在住

子どもたちに教え、教えられる

硬筆を習い始めて9年。子供達に教えるようになって5年になります。
子供達に教えるきっかけは、先生に人手が足りないのでと話しを頂いた事です。
生徒の時と大きく違い、いざ教える側になってみるとこんなに難しいのかと思う事が多々あります。一人一人、個性があるので、子供に合った教え方、説明の仕方、表現の使い分けを心掛けて勉強中です。

田﨑教室では、毎年、12月にクリスマス会を開催しています。ゲーム、ミニ仮装、みんなで、ケーキを食べて一つの事に盛り上がることで、教室では見せない表情、話しが苦手な子供とのコミュニケーションの場所にも繋がっています。実際に、今までは聞きづらそうにしていた子供が自分から話すようになり、コンクールで「金賞とったよ」「銀賞とった」と話してくれると、例えようもなく嬉しくなります。徐々に慣れてやる気が出てきたと感じる瞬間です。
子供達に教えた貴重な体験は、学ぶ事が多く、子供達に教えてもらう事も沢山あります。

何度も繰り返す事で、自分の勉強にも繋がっています。(右端が加納さん)


今後の目標は、子供達と共に楽しみながら学び、一緒にレベルアップする事。
また、手書きの良さを伝えていければと思います。

編集後記
加納さんは第8回総合大会の全国硬筆コンクールで文部科学大臣賞を受賞されました。一般での受賞は珍しいことです。東・西・南・北欄への寄稿をお願いしたところ、書文協理念の申し子のような方だとわかりました。
「職業としての書写書道を目指す」ことが書文協理念の一つなのです。加納さんはまだ週1回の講師のようですが、田崎教室の大事な柱として育っていただければ、と思います。
そして、教えるときに大事なのは「教学半」の精神を持つことです。中国の古い書物に出てくる言葉で「教えることは学びの半ばなり」というのがあります。加納さんが子供たちに教えることを通して自分も学んでいると書いていることに「講師の資格十分」と思いました。ちなみに「教学半」という言葉は知らずに実感を書いていたと言い、ますます感心しました。
金融機関での仕事を結婚したときにやめて20数年。それ以来、専業主婦として生け花や自治会活動を活発にやってこられたようです。「まずは楽しくなければいけません」。クリスマス会など皆のまとまりがよさそうな“one team”田崎教室での活躍を期待します。

中国訪問記

第1回中日青少年書画友好交流コンクールで優秀な成績を収めた人の中から13人が訪中団に加わり、令和元年12月20日から22日までの3日間、北京を訪問しました。そのうち10人は書道関係。高校生が4人と一番多く、小学生3人、中学生も1人。ほとんどが初めての中国でしたが、皆が異文化理解の大事さと友好を考える旅になったようです。(原文をいずれも短くしました。文責は書文協機関紙・月刊書字文化編集部にあります)

<小学校3年 小池結>  ★同学年の女の子が日本語で★
北京で、私と同じ三年生の女の子に本をもらいました。女の子の名前は于菓(うか)さんです。本を開くと「日本の子供に送る。青島へようこそ」と日本語でメッセージが書かれていました。本は中国語で、海洋生物の図鑑のようです。
于菓さんは一年前から日本語の勉強を始めて、日本語がとても上手でした。私は中国語がわからないので、日本語で話しかけてくれて安心してうれしくて笑顔になりました。中国語は発音が難しいけど文字は日本で使う漢字に似ていると思います。私は一月に日本で行われる交流会で中国のお友達に中国語で話しかけられるように勉強したいと思いました。
私は硬筆と毛筆が大好きで、勉強は少し苦手です。だけどこれからは勉強も頑張りたいです。中国のお友達は絵も毛筆も上手で、日本語も英語も勉強していてすごいなあと思いました。

<小学校5年 関口美夢>  ★来年の西安も行きたい★
初めての海外旅行でした。お母さんも小学5年生の時から書道で中国等へ行って交流しているので、「世界を見ておいで」とみんなで送り出してくれました。
最初の交流ではみんなで長巻きを書きましたが、日本も中国も書画ともにみんな上
手でした。
2日目の席書では書き終わったあと中国のお友だちの書き方を見せてもらいました。
活字の文章を見て行書や草書を書いていたので、力があるんだなぁと思いました。
3日目の食事会の時に作品をあげました。自分の作品がこんなに喜ばれるのはビックリでしたし、嬉しかったです。
交流を通して中国にも頑張っている人がたくさんいることを知りました。その中で中国にも興味をもちました。来年の西安も行きたいので、また頑張ります。

<小学校6年 舛 菜々子>  ★中国に興味を持った★
今回の訪中で、私の意識が大きく変化したことが二つあります。一つ目は、中国のことをもっと知りたいと思うようになったことです。その第一歩が興味を持つことだと思います。内気な私にとって、今回は積極的な交流まではかないませんでしたが、この三日間で中国の文化や歴史、習慣、言語など、様々なことに興味がわきました。中国の参加者が、日本に興味を持っていることも感じることができました。今後、一歩進んだ交流をするために、とても有意義な経験であったと思います。
二つ目は、書画という文化交流を通じて、他の参加者のレベルの高さに刺激を受け、もっと上手くなりたいと思ったことです。今回、日中の参加者で長絵巻を作るというイベントがありましたが、私は席書は初めてでした。目の前で多くの中国の参加者に見られながら書くのは緊張しましたが、とても良い経験になりました。

<中学校2年 竹内諒>  ★北京ダックも書道もうまかった★
特に美味しかったのは、北京ダックです。切る前の状態の肉はとても大きくて、驚きました。薄餅に肉やネギを巻くという食べ方は初めて知りました。
中国には伝統的な建物や、有名な建物が多くありました。そのほとんどが巨大なものでした。故宮の宮殿はどれも細かいところまで装飾されているのにとても大きくて、迫力がありました。天安門はバスの中から見たので短い時間しか見られなかったけれど、毛沢東の絵はとても精密に描かれていました。
中国の大会で子供たちが書いていた文字は、とても上手でした。特に7歳の子の字を見たときは、上手すぎて目を疑ってしまうほどでした。本当にレベルが高いと思いました。自分と同じ年齢の人は、僕が書いたことの無いような作品を仕上げていて、圧倒されました。ここでは多くの良い刺激を受けました。

<中学校3年 峯田彩世> ★人はフレンドリーで街はきれい、書道はかなり自由★
中国の人達はとてもフレンドリーだと思いました。道具を交換したいと言ってきたり、積極的に話しかけてきてとても接しやすかったです。仲良くできました。歩いてる途中にゴミ拾いをしてる人などを見かけたりして、日本よりも綺麗な国だと思いました。
書道は、筆の持ち方の違いが気になりました。私たちは親指と人差し指以外の指で下を支えていますが、中国の人たちは親指と人差し指と中指で筆をつまむように持っていました。また、中国の人たちは2度書きが多かった印象も持ちました。普段、2度書きはダメと言われているので、中国ではありなのかなという疑問も持ちました。もうひとつは、道具についてです。私たちは墨を溜めておくのはプラスチックのポットですが、中国の人たちが普通のご飯を食べる時などに使うお皿を使っている人がいて、指定のものなどがないのかなと思いました。

<高校2年 大平 知雅>  ★多様性を(舌で)学んだ★
料理は口にあい、とても美味しいと感じたもの、逆に国の差もあり、苦手だなと思うものもあった。中でも美味しかったのはジャージャー麺。本場の味は食べやすかった。中国には中国の味があり、日本には日本の味があり、多様であることを舌で感じた。
一日目に一緒に回ってくれた通訳さんは大学院2年生。日本への留学経験がある。日本語が上手で、将来は通訳になりたい、と言っていた。多様に違う中国と日本をつなぐ仕事に就くのは素晴らしいと思った。そして、彼女が日本に興味を抱いていることをとてもうれしく感じた。
2日目の決勝戦では、ひらがな交じりの俳句を書いて最高の特等賞をいただいた。日本固有のひらがなを評価していただいてうれしかった。初めての外国が、書道を通して行った中国で本当に良かった、と思っている。

<高校2年 池田 萌華>   ★共に同じ伝統文化を持つ誇らしさ★
私は小1の頃から書道を習っている。同じ書道でも日本と中国では異なる部分が多くあるのに気づいた。しかし、違いがあっても日本と変わらないところもある。それは書道に対しての思いだ。皆大会のために作品を作っているのではなく、字を書いていて楽しいと思うから作品を作っているように見えた。作品を真剣に書いている姿の中に楽しそうな顔をして書いていたのはとても印象に残っている。
中国では若者は昔の文化にあまり興味を示さなくなっている。と故宮のガイドさんが話していた。しかし、中国の子供達は書道において昔の文化に興味を示していないことはなく、しっかり伝承していると思った。この3日間のプログラムに参加して、国は異なっても両国で同じ伝統文化を持っていることはとても誇らしいと思った。西安で行われる第2回にも参加したい。

<高校2年 石原 颯>  ★憧れの中国で、集中力抜群の小学生を見た★
日本史を学ぶと、中国の隋や唐が日本の歴史として度々出てくる。学ぶごとに私は感じる。昔から多くのものを教え、与えてくれた中国への感謝を。そして、その大国の持つ日本への影響力を。
また、中学生の時、李白の漢詩で知った黄鶴楼は私にとって特別な場所となり、憧れであった。つまり、私が日本史、古典や漢文を学び始めた時点で中国に行くということは私にとって特別な意味を持っていた。
2日目の午前中のことだ。私の腰程の大きさの小学生の子だろうか、その子が書いていた姿が印象に残った。後に聞いた話によると、その子は紙が破れようともテープでつけ、墨を撒き散らしても気にすること無く書き続けたと言う。勿論良い意味でその子の目には下敷きの上しか見えていなかったのだろう。私はそれほどの集中力で書いた事は無い。外見的な面は言うまでもないが、私は精神的な事について学ばして頂けた。

<高校3年 大平 麗雅>  ★言葉は国境を超える★
中国には日本語をよく知っている人が多くいました。食堂に入ったときなど、通訳さんがお店の人とコミュニケーションをとってくれましたが、その中で、いろいろな日本語が使われているのが分かりました。日本でも数年前から流行りだしたばかりのタピオカという言葉が飛び出したときはびっくり。言葉も国境を超える時代です。まずは言葉を通じてコミュニケーションをとることが大事だと思いました。
中国では小さいうちから漢字を書いています。7歳の子が、書道で上、下などの漢字を上手に書いていました。考えれば当たり前のことですが、同時に私は、中国には、ひらがながないということに気づき、なぜか改めて新鮮な気持ちになりました。世界には、もっといろいろな言葉があります。自分の知らない言葉をたくさん学び、互いに仲良くしなくては、と思わせてくれた中国訪問でした。

<書法学院生 西島 波瑠佳>  ★幼い子の書道技術の高さに驚き★
1日目は、中国の方と交互に長巻を描きました。2日目は、決勝戦でした。会場では沢山の中国の子供達と同じ空間で作品を書きました。私が一番印象に残ったのは、書の線質です。日本は美しい繊細な線質のイメージがあるのですが、中国の方が書いている作品を見ると力強く繊細な線質の印象を受けました。その他にも筆の運び方など色々な違いがあるのでとても勉強になりました。中国の幼い子供達が筆を持ち紙に向かう姿勢を見て、日本との伝統文化の違いをまざまざと感じました。幼少期から筆に慣れ親しみがあるのでしょう。あれだけの文字数を幼い子供達が集中力を欠かさず書いている姿は驚く程でした。
中学1年の時に中国を訪問し、日中友好交流をした事があります。その当時は同年代が書いている姿に、どうしたらこのような筆使いができるのだろうと、とても感銘受けた事を覚えています。そして今回は幼い子供達の書道技術の高さにとても驚きました。

以上

第5回書文協臨書展募集

今年度末事業として3月27日(金)締め切りです。全部門とも年齢不問 毛筆のみ
部門   臨書の部   用紙は半切ないし八ッ切

・自由課題(高校教科書臨書教材から4文字以上)
・常設課題(漢詩・楓橋夜泊)の1句以上
楷書書写の部 下記から選ぶ。用紙は半紙ないし八ッ切
・1字  月 満 天 漁 火 城 外 の中から1文字
・2字  漁火
・3字  寒山寺

常設課題について
漢詩「楓橋(ふうきょう)夜泊(やはくの)」は唐代の詩人・張継(ちょうけい)の作。
蘇州・寒山寺碑文の書家は清末の愈越(ゆえつ)。この碑文を模した碑が東京都青梅市の多摩川上流の渓谷に建つ日本寒山寺にあります。